割合について その1

前回の記事を書いていて、割合についてきちんと説明しておかないと、理科の話は進まないなぁ、と感じました。
まあ、とにかく皆できないですよ。
私もどうだったでしょうね、中学の時はあいまいだっただろうな、と思います。
もしかしたら高校の化学で、計算問題を通してようやくきちんと理解できたんじゃない?という気もします。

そんな割合。

まず基本の第一歩。
なにか、基準とする量を決める
小学校では「もとにする量」と呼んでいます。
この「基準の量」ですが、お話ごとに変わるんです。
だからまず、何を基準にしているのかを問題文から読み取る必要があります。
あるいは、自分で割合による表現をしたいときは何を基準にするのか、自分でしっかりと決めて、皆に分かるように伝えないといけません。

第二歩目。
気になっている量が「基準の量」の何倍か、を計算する。
この「何倍か」がそのまま「割合」となります。
気になっている量と書きましたが、割合を使って表したい量のことで、小学校では「比べる量」と呼びます。
「基準の量」の何倍か、ですから、「気になっている量÷基準の量」という計算です。
小学校風には「比べる量÷もとにする量」ですね。

例を挙げましょう。
串団子5本が売られているとしましょう。

第1問 この串団子5本を基準として、20本の割合は?

考え方)串団子20本は5本の何倍か考えます。5本を1パックにするなら何パック分か、と言っても同じことです。
20÷5=4 として 4倍、あるいは4パック分。割合としては単位は付けず、4とだけ答えます。

解)4

第2問 では、基準はそのまま串団子5本として、18本の割合、となるとどうでしょう。

考え方)割り切れないですよね。しかし、割り切れる場合と計算の仕方は同じです。
これは以前の記事でも書いているのですが、算数・数学の大原則。
ある問題に対する計算の仕方は、数が変わっても、小数でも分数でも文字式でも、全て同じ。
従いまして、18÷5=3.6 または分数で18/5=3 3/5。

解)3.6

この解に直面した時、小数、分数があいまいだと当然ながら躓きます。
最低限、小数・分数で半端な量を表している、という感覚があればどうにかなるかもしれません。

次はちょっと基準を変えましょう。団子が串に4個ずつ刺さっているとして。5本なら5×4=20個の団子が刺さっているわけです。

第3問 では、串ではなく団子を数えて13個。これの、団子20個に対する割合は?

考え方)言い回しが変わったことにお気づき頂けたでしょうか。
基準の量は団子20個だと言いたいのですが、数が出てくる順番が前の2つの例と逆になってますよね。
こういう言い回しもあるので、「先に出てきた数で割る」みたいな覚え方は破綻します。
きちんと文章を読んで、どの量を気にしているのか、何を基準にしようとしているのか、しっかり読み取らないといけない。
繰り返しますが、基準の量を文章から読み取る。それ以外の方法 – 順番とか、数についている助詞、いわゆる「てにをは」を見るとか – そういうことでは正しく計算できません。
13が20の何倍か、なので、大小関係で不穏に感じるかもしれませんが、そんな気分的なことは関係なく、13÷20としなくてなりません。
小数では0.65、分数では13/20。
気にしている13が基準の20より小さいので、答えは1より小さくなります。

解)0.65

まとめ とにかく、割合を出すには「基準の量」で割る!

おまけ 以上で求めた割合、特に使うのが第3問のような、気になる量が基準の量より小さいときです。
ゲームなんかでも、宝箱が全部で280個あるんだけど、どれだけ開けたかな~、なんてことが気になるわけです。
例えば14個開けているなら、開けた割合は14÷280=0.05 です。
小数、いやですよね?
ただそれだけの理由で、これを100倍して、単位%を付ける。こうして開封率は5%、となります。
一般的によく使われる、百分率ですね。
基準を100%として、という言い方もしますが、数学的にはなんら正当な意味はなく、手間が増えるだけの存在です。

結局、%は割合を100倍しただけ。
上の各問題では、第1問 400% 第2問 360% 第3問 65% ということになりますよ。

割合その1はここまでです。
続いてその2では、割合がわかっているときにどうするか、ということを考えていきますね。