英語 長文読解2 接続詞

英語を読もう!

という趣旨で前回から続けます。

なぜ、英語を読みたいのか?
一つは、現代はインターネットのおかげで、英文に多く触れるようになったこと。
具体的には、youtubeでは英文の字幕・各種アプリでも英文のマニュアル(取扱説明書)を備えるものが多いこと。
そして外国の方とコミュニケーションをとるとしても、現代社会としては電話よりメッセージアプリやメールがメインなんじゃない?
という点。
文科省的には話す、聞くが出来るように、みたいなことを言っていますが、実は案外、現在ではむしろ昔ながらの読解中心の受験英語こそが有用だったりもするのです。

さて、そんなわけで、前回。
簡単に振り返りますと、英文ではまず動詞Vを見つけよう、ということでした。
いくらか、英文や動詞に関するルールをご紹介していましたね。
一つ言っておかないといけないことがあって、それは「ルールには全て例外がある」ということ。
お伝えしているルールは、英文読解において非常に役立ちますが、あくまでも原則であって、絶対の真理ではない、ということです。

このことはこれからルールとしてお伝えすることには全て当てはまると考えてください。

さて、本題。V を見つけることには2つほどのメリットがあります。
まず、V の前にあるもの全体が丸ごと主語だ、と判断できること。

ただし、文頭の副詞句と呼ばれる定型句、日本語で言うと「例えば」「加えて」「一般的に言うと」などの部分、並びに接続詞で始まる副詞節=もし~ならば、~なので、~のとき、などは別ですけど。
ちなみに、主語は S で表します。Subject の頭文字です。

次に、V の後ろを見ることで、文型を判断できること。

主語、動詞と文型が決まれば、文のおおまかな構造がはっきりしますので、この2点を判断できるという事実は、読解上非常に強力です。

では、文型とはどんなものか、そしてどういう風に判断するのか?
結局のところそれができれば英語が読めることになるので、今後、例文ごとにゆっくりと説明していくことにしたいと思います。

まず、前回も使った例文。

A. The boy’s name was Santiago.

この文の動詞Vは was でした。be動詞です。
be動詞であれば文型は SVC であることが多いです。
C は補語(Compliment)と呼ばれ、SVC ではS の情報を補うものとして機能します。
SVC の基本的な意味合いは「S = C」です。be動詞自体の意味が「=」だとも言いましたので、特に新しい情報はないように思えるかもしれません。
ただ、be動詞以外にもこの SVC の文型をとる動詞がありまして、いずれそのような動詞も出てくるでしょうけれど、今の段階ではとりあえず言葉として知っておいてもらえたら十分です。

結果として
A. 少年の名前 = Santiago だった。

という具合に解釈できます。日本語の文にしましょう、というなら「少年の名はサンティアゴだった。」とでもすればいいでしょう。
少しアレンジして「サンティアゴ、それが少年の名であった。」などとしても伝えるべき内容は損なわれていないのですが、英文を解釈していきたいときは自然にな日本語に、とかおしゃれな言い回しで、とか考えず、まず直訳してしまう方が無難です。

さあ、次の文に行きましょう!

B. Dusk was Falling as the boy arrived with his herd at an abandoned church.

V はどれか?です。最初はいつもこれ。
前回の目安によると、wasはbe動詞の一つであって、V のはずです。
それと、arrived も~ed で終わっていて、一般動詞の過去形っぽい。(もしかしたら過去分詞かもしれない)
まず断っておくと、一つの文であっても、接続詞がある場合、V が複数になることはあります。
接続詞というのは日本語で言えば「だから」「ところが」「そして」などの文と文をつなぐ単語。
英語でも同じく文と文をつなぐ単語を接続詞といい、and, but, or, because, when, if, などが代表的なものとして挙げられます。

そして B. の文には as という単語があり、これが接続詞です。
接続詞の as はいろいろな意味があって、実際のところ他のどの接続詞の意味としても使うことができる、ともいえるくらい。
従ってどう解釈するかは文脈によるわけで難しいことなのですが、ここでは「~のとき」と捉えるといいでしょう。

ここで一つ文法用語を導入させてください。英語における「文」は大文字で始まって、.(ピリオド)で終わるものです。
だとすると、先ほどの文と文をつなぐ、という言い方はちょっとおかしいですよね。
だって、文のあとに文をつないだら、初めの文はピリオドで終わってないし、あとの文は大文字で始まらないですから。
こういう事情もあって、接続詞で繋がった文的なまとまりは「節」と呼ぶことになっています。
正確には「主語S、動詞Vを含むまとまりを節という」ことにしています。
結果「接続詞は節と節をつなぐ単語」ということになります。

そしてここで接続詞の大切なルールをお伝えします。
それは

C1. 接続詞はその後ろの節に意味を添える。
C2. 接続詞で始まる節は文の本体ではない(副詞節)。

※一応お断りしておくと、これらにもやはり例外がありますよ※

ということは、B. の文では as より後ろの長い部分がおまけです。つまり

B. ~のとき、Dusk = falling だった。

というのが、もっともおおざっぱなB.の文の捉え方です。

Dusk は 夕暮れ、falling は 落ちている(という状態)、という意味ですので、

B. ~のとき、夕暮れ = 落ちている だった。

メインの部分(主節)をもう少し意訳すれば「太陽が沈みかけていた」というような感じでしょうか。

ところで、この文で be動詞+~ing に気付く方も多いと思います。
was falling の部分がまさにこの形で、これって進行形じゃなかった?と思われたところでしょう。
be動詞が過去なので、過去進行形(~しているところだった)でしょう、と。
それはもちろん完全に正しく、そう捉えていただいて構いません。
ただ、この記事中ではシンプルに「be動詞は=」で通そうと思っていまして、falling は現在分詞として文型はSVC、と解釈しました。
べつにどっちでも大丈夫です。
今回はこの辺まで。B.の文の接続詞がある部分(従属節)の解釈をしていませんが、そこは次回に。