「いろいろな生物とその共通点」のポイント(中1理科)

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中学生の理科、単元ごとに押さえておきたいポイントをお伝えするシリーズです。
第1回は中1理科の生命分野「いろいろな生物とその共通点」。

ところで、中学校の理科って、私が中学生だったころは1分野、2分野って二つに分かれていました。
普通の言い方では物理、化学に当たる部分を1分野、生物、地学に当たる部分を2分野と呼んでいたと記憶しています。
1分野は計算があって、2分野は覚えるだけ、という印象でしたね。
今はこの1分野、2分野という分け方ではなく、生命、地球、物質、エネルギーという風に分けています。
それぞれ生物、地学、化学、物理に対応しており、中学3年生になるとこれらに「環境」という分野が加わるのですが、これはいわゆる生態学。
1分野、2分野というのは完全に中学校でしか使わない分け方だったので、個人的には今の方が中学生たちの将来に繋がるかなと思います。

さて、まずこの中1の生命分野で扱う内容から。
大きな目標は生物を簡単に分類することです。
微生物を観察して、単細胞生物か、多細胞生物か。
動くなら動物、緑なら植物。
・・・まだ少しおおざっぱすぎますけどね。キノコやカビなどの菌類が出てくるのは中3です。
動いて緑のミドリムシも教科書にいますが、これは植物でも動物でもないです。 微生物の分類は専門家の間でも意見が分かれているようなので、はっきりとは触れられない感じですかね。

さらに動物なら肉食か草食か、これとは別の話で脊椎動物か無脊椎動物か。
植物ではコケ・シダ・裸子・被子と大きく分けてから、被子植物について単子葉類、双子葉類、最後に双子葉類を合弁花・離弁花と分ける。

それぞれ、どこに注目して分けるのかをしっかり理解する必要があります。
分類のグループ名だけ覚えてもダメってことですね。
この”どこに注目して分けるのか”ということは、理科に限らずすべての学問の第一歩です。
当たり前と思えるかもしれませんが、意外と各グループの特徴を知らないままで、トカゲはハ虫類・イルカは哺乳類、などと個別に覚えているだけの人もいるものです。

国語の文章だって、物語か説明文か詩か、というように分けますよね。
算数でも、例えば図形を円と三角形、四角形に分けたり。
この国語、算数の例とか、今問題の生物の分類なんかだと、見た目でなんとなくどのグループかがわかるわけです。
だからこそ、分類するということを、単なる感覚的なものだと思っている人もいる。
結果として、あるものがどのグループなのかは個別に覚えるしかない、と理解している。
そのこと自体がいい、悪いという話ではありませんよ。ある程度真実でもありますし、日常では別に直観で分類してくれて構わない。
しかし、この単元のテストではそうはいかない。
なぜイルカは哺乳類なのか?海にいるから魚じゃないの?いや、卵でなく赤ちゃんを産むから、哺乳類ですよ、と答えられるようにしないといけないのですね。

この生物の分類、中学校の理科の中では、分類の仕方が明確な方です。
ちょっと話がそれますが、もう少しわからない人が多くなる例として、物質の分類を考えてみましょう。
中1では、物質の分類として互いに関係ない3つの基準での分け方を扱います。
互いに関係ない、というのがそもそもやっかいですよね。
その分類の一つ、純物質か、混合物か。
純物質としては小学校以来、いくつかの気体になじみがあります。窒素、酸素、水素、二酸化炭素、あたり。
こういった ~素 はたいてい純物質ですね。
そして空気は、これらの気体の特に窒素と酸素の混合物。あといくらか微量の他の気体も入っています。
純物質がいくつか混ざっているものを混合物というんです。
化学変化させずに物質を分離していって、もう分離できない、という状態が純物質。
すでに難しいですね。化学変化させない、というのは、薬品を混ぜて色を変えるような、いわゆる化学実験をしないで、ということなんですが、蒸留やろ過はしていいんでね。その線引きも中学校の段階ではよくわからない。
結果として、中学生は個別に覚えるしかないんですよね。
他の分類方法は ”金属か非金属か” ”有機物か無機物か” ですが、悲しいことにどちらも ”純物質か混合物か” 同様、中学の時点では個別に覚えるしかないのです。※というか、高校生以上でも結局のところ個別に覚えてるだけかな。分類の基準は中学の時点よりは明確になりますけど※

話を戻しまして。つまり、中学の理科の中では分類の仕方をきちんと理解できる単元だから、そこをしっかり理解しましょう、ということがまず第一のポイントだということですね。

続いて第二のポイント。
結局分類の話ですけど、特に被子植物について。
双子葉類と単子葉類に分けるんですが、この2グループは見た目が大きく違うので、そこを特にしっかり覚えるといい。
まず結論を言いますと、双子葉類は子葉が2枚、葉の葉脈が網状脈、根が主根と側根。単子葉類は子葉が1枚、葉脈は平行脈、ひげ根。
専門用語ばかりで、やる気をなくしますね。
とりあえず、双子葉類は大根
子葉が2枚、というのは、種から双葉で芽生える、ということです。
葉脈というのは葉の模様。網状は漢字の通りですが、網のようになっている、ということ。
主根は太い一本の根っこで、側根はその一本から飛び出している細いひものようなもの。
大根はそれ自体主根ですし、葉っぱもついたまま売られていることも多いので、組み合わせて覚えやすいのではないでしょうか。
もちろん人参でもいいです。ただ、双葉で芽生えるかどうか、あまりわからないかな・・・

一方、単子葉類はねぎ
双葉でなく、一本の草で芽生え、葉っぱの模様は平行な線をたくさん引いたような感じ。
根っこはメインと呼べるものがなく、細いのがもじゃもじゃと、まさに髭のように生えています。
土付きのねぎとか、植物まるごとなので単子葉類を観察するにはちょうどいい。
芽生えるときも、わざわざ双葉で生えてきそうな気はしないですよね。

双子葉か単子葉かは2択ですから、どちらかをしっかり覚えていれば大丈夫。
そこを踏まえると単子葉=ねぎと覚えるのがおすすめでしょうか。

※茎の断面の違いは現在は中学2年生の生物分野に回っています。※

この単元では動物の分類も扱いますが、結構簡単で、ここがどうしてもわからない、という中学生はあまり多くありません。
一番わかりにくいのはイモリとヤモリ。
イモリは漢字で井守=井戸を守る=水回りにいる=両生類、ヤモリは漢字で家守=家を守る=乾いていてもいい=ハ虫類、というのが覚えやすいかと思います。
※ちなみに、イモリは英語ではnewt(ニュート)、ヤモリはgecko(ゲッコー)。
ポケモンで言うとエンニュートはイモリ、ゲッコウガはヤモリなんでしょうか。
いや、ゲッコウガはカエルですよね。鳴き声由来かな。エンニュートも進化前はヤトウモリだったりしますしね。
ポケモンに現実を当てはめることはできませんね。※

動物の分類について他に気を付けたいのは
・イルカ、クジラは哺乳類。子供を産みますからね。
・ペンギン、ダチョウは鳥類。飛ばないけど。
・コウモリは哺乳類。飛ぶけど。
・無脊椎動物は節足動物と軟体動物、その他
・節足動物はさらに昆虫類、甲殻類、その他に分ける。
・甲殻類はエビ、カニ、ミジンコ、ダンゴムシ
・クモ、ムカデはその他の節足動物
・軟体動物はイカ、タコ、貝類(カタツムリ含む)
ミミズ、クラゲ、ウニ、ヒトデなどはその他の無脊椎動物(軟体動物ではない)
といったあたりでしょうか。
この辺までを覚えられたら高校受験では心配ありません。

次回は・・・さきほど物質の分類の話題も出したことですし、中1化学分野の話題にしようと思います。