勉強の優先度

もう12月になりました。冬期講習会の準備に追われているところです。 講習会が終わればもう受験本番も間近。大学受験なら共通テストが講習会直後です。

さて、受験、というと大抵5教科あるわけです。国語、数学、社会、理科、英語。
このうち、どの教科からやるべきなのか。
今回はそんな話です。

まず、当然のことですが、どの教科を優先すべきかは人によって違います。そりゃそうです。数学だけはいつも満点なんだよなぁ、という人が数学の勉強からしないとダメだよ、と言われても納得できないでしょうから。

そこでとりあえず、5教科のどれも同じ程度にできる(あるいはできない)、だからどれからやるか決められない、そういう状況を想定して進めます。

実際に各教科をどんなふうに勉強していったらいいのか、というのは別の記事で書いていくつもりでいます。

では本題。最も優先順位が高く、一番勉強すべきなのは国語です。

これは当たり前といえば当たり前のことで、だって、どんなテストだって問題は日本語で書かれていますからね。英語のテストでも、英文の意味を書け、と言われたら日本語で書くわけです。
国語力は勉強するときだけでなく、仕事の上でも重要です。
日本語が通じない同僚は困りますよね。外国の方、とは限らずです。
こちらの言ったことを意図した意味ではなく捉えていたり、逆に言葉の意味を間違えて使っていたり。
それと漢字の読み書き。

業務上重要なことが伝わらない、伝えられない。そんな人と仕事をするのは一苦労です。

国語の次に勉強したらいいのは、数学。
お嫌いなのはわかってますよ。
でも同時に、勉強した方がいいよね、とご存じであろうこともわかってます。

なぜ優先順位が高いのかというと、一つには単純に効率の問題です。
数学って、一度やるべきことを理解できてしまえば、復習は短時間で済むんです。
例えば直線の式。傾き、切片、通る点の座標などの情報から式を求めるわけですが、y=ax+bのaとbを決めればいいんだ、せいぜい連立方程式になるだけだ、とまでわかれば、復習の時には細かい計算をして最後の答えまで出す必要はありません。

ただ、そういう、問題からやるべきことが分かる、という段階に達するのには時間が必要。
これが数学の勉強を優先させたい第二の理由です。 いくら数学が得意であっても、なかなか腑に落ちなくて問題が全く進まない、ということはあります。
そして当然、勉強する前には理解するためにどれだけ時間がかかるかはわからないですよね。やってみないとね。
だから、まず理論を理解するために十分に時間を割いて勉強するべきだ、というわけです。
テスト直前になってようやく数学の勉強をする、なんてことはぜひ避けていただきたいと思います。

そして数学の勉強を優先させたい三つ目の理由。
これは中学生、高校生には伝わりにくいですけど、数学は学術界の共通語だから。
高校になれば物理、化学はだいぶ数学を使ってる感が出てきますが、まだまだ序の口です。
大学以上で勉強する理科では、生物関係でさえ高校で習う複素数、三角関数、対数、微分・積分なんて使って当たり前、それより先の行列、級数、微分方程式だって普通に出てきます。
社会的な分野でも、データを統計処理するのが普通ですから、似たようなものです。
そして、調べれば済むってものではないんですよね、数学の場合。
英語ができないとか、経済や法律の勉強をしてみようと思ったけど、知らない用語が出てくる、なんてときは、調べれば済みます。
ところが数学だと、調べただけではわからないです。調べた結果、知らない記号が出てきた。何か計算してるけど、どうやるのか知らない。そんなのが普通。
多少なりとも専門的な話には、数学を使うしかない。というか、数学を使うのが楽で正確なのです。
それなのに、普段から数学を使っていない人にとっては、ちょっと調べたぐらいではほとんど何もわからない。
そういうわけで、業務上、ふと数学に出くわしたときに慌てず焦らず対応できるようにしておくのは悪いことではないでしょう。

さて、話を戻しまして、勉強の優先順位。
国語、数学、と来たら次はもう、お好きなものをどうぞ、ですかね。
自分が将来にわたって関わり続けたい分野に近い勉強をしたらいいですよ。
つまり、ケースバイケース。
国語と数学さえしっかり勉強できていれば、他のどんな勉強でも始める準備が整っています、ということもできます。

でも、あえて次を挙げるなら、受験での汎用性を考えてやはり英語かな。英語なしでも受験できる高校・大学ってなかなかありませんからね!